最近のNHK大河ドラマは、イケメン俳優だらけ。登場する武将や歴史上人物の中に「推し」を見つけて、推しグッズも作り、毎週日曜夜8時を応援上映会にしよう。
旬の若手俳優がたくさん登場するテレビドラマといえば学園ものが定番だが、最近の大河ドラマも負けていない。
2023年の大河ドラマ『どうする家康』は、徳川家康の松本潤を筆頭に、徳川四天王に山田裕貴(本多忠勝)、杉野遥亮(榊原康政)、板垣李光人(井伊直政)と旬のイケメン俳優がそろう。
戦国武将にも、松平信康の細田佳央太、武田勝頼の眞栄田郷敦、真田信繁の日向亘、小早川秀秋の嘉島陸など、ネクストブレイクの次世代イケメン俳優が多数キャスティング。さらに、重量級の武将には、信長に岡田准一、信玄に阿部寛など、イケメンのレジェンドが勢ぞろいだ。
毎回見てると、自然と、好みの武将が見つかる。こうなると、毎週日曜夜8時は、推しの応援上映になる。合戦シーンはさながら、ライブビューイングだ。
娘(9歳)は、戦国最強の武将、本多平八郎忠勝に心を奪われた。
毎週、本多忠勝の活躍を楽しみに待つ娘。せっかくなので、推し活グッズを作って、テレビの前で忠勝を全力で応援しようとなった。
推し活の定番といえば、うちわだ。ダイソーで推しうちわを買ってきて、娘と一緒に、武将仕様にデコる。
「~しか勝たん」は、戦国武将にハマる表現だ。また、本多忠勝といえば、肩から下げている大数珠(葬った敵を弔うためだそうだ)が有名なので、金色の丸シールで大数珠をデザインした。そこに、娘がハートと金粉をちりばめる。
うちわの裏側。推しに求めるファンサといえば、「手ふって!」「バーンして!」「指さして!」などが定番だが、推し武将に望むのは、一人でも多くの敵を倒して武勲を立てること、ただそれのみ。忠勝には、名槍「蜻蛉切(とんぼきり)」で敵をぶった斬って!とメッセージを送る。生涯57の戦でかすり傷一つ負わなかったという、推しの激熱エピソードも盛り込む。
武将の名言やモチーフで、うちわを飾る作業は、かなり楽しい。武田信玄の推しうちわなら、上杉謙信の刀を受け止めたあの軍配団扇をモチーフにして作りたい。直江兼続なら、大きく「愛」の文字だ。ああ、夢が広がる。
さらに推しグッズといえば、ペンライト。これは、戦国武将の愛刀に見立ててデコってしまおう。
ダイソーでペンライト(500円)を購入する。
本多忠勝の愛用の武器は、天下三名槍「蜻蛉切」。本物の蜻蛉切は静岡にあるが、見に行くにはちょっと遠い。江戸時代に蜻蛉切の写しとして作られた大笹穂槍が東京国立博物館で展示されているので、見に行く。
イメージを膨らませて、ペンライトの持ち手を蜻蛉切の柄のようにマスキングテープで巻く。
さあ、推しグッズが完成した。これで、合戦シーンの応援にも力が入る。
『どうする家康』で山場の一つが、第32話の「小牧・長久手の戦い」。ついに徳川が秀吉と直接対峙する、歴史上も重要な戦だ。われらが本多忠勝は、秀吉本軍の圧倒的な戦力を前に、小勢で迎え撃ち、一歩も引かずに名乗りを上げる。「幾多の戦でかすり傷ひとつ負ったことなし。我こそは、本多平八郎忠勝!」。名場面である。蜻蛉切ライトを手にしたまま、娘は悶絶する。
そしてドラマのクライマックスの、43話「関ケ原の戦い」。天下分け目の大戦。本多忠勝は桃配山に布陣した。「本多!」と娘はうちわを振る。そして開戦。裏切るはずの小早川秀秋が、動かない。このままでは本多も危うい。「小早川っ!!早く!!」としびれを切らす娘。
娘は、戦国時代にすっかり夢中になった。
歴史を学ぶと、人生が豊かになるといわれている。推しの存在も、人生を豊かにする。もしかしたら、武将推しは、幸せな人生のための最強コンボかもしれない。