アニメやマンガが舞台の町と施設には、キャラクターを使った「ピクトグラム」(絵文字案内)がある。キャラクターへの愛が感じられるピクトを探す「ピクト収集」を、家族で始めた。
ピクトグラムの遊び心
文字の代わりに絵で案内や情報を伝える「ピクトグラム」は、1964年の東京オリンピックから始まったと言われる。世界各国から集まる選手や関係者にも理解できるように、施設案内をシンボルでデザインしたのが最初だ。
その後60年で、ピクトグラムは世界中に普及した。これと同時に「変異型」も生まれた。例えばトイレのピクト。
慌てて駆け込んだトイレに、唐突に阿波踊りの絵が描かれていても、それに驚くことなく、色と形でどちらの入り口が男用か女用かをすぐに識別できる。それくらい、僕らのピクトに対するリテラシーは高くなっている。なので、ピクトの側も、どんどん「遊ぶ」ようになっている。
その典型例が、マンガ・アニメ・映画などをテーマにした施設の中の、キャラクターを使ったピクトだ。キャラクターの特徴を、伝えたい内容にふさわしい形で使っているピクトや看板がある。こういうのを見つけると、運営側の作品愛が感じられて、うれしくなる。
妖怪愛に満ちた「米子空港」
わが家がキャラクターのピクトの面白さに気づいたのは、鳥取県米子空港「米子鬼太郎空港」だった。
娘が、「進入禁止」のサインにぬりかべの絵が描かれていることに気付いた。「入っちゃダメだから、ぬりかべなんだ!」。
妖怪の特徴と内容がぴたりと合っているサインに、皆が興奮した。他にもきっとあるはずだ、とピクトを探しに空港の中へ駆け出した。いくつか見つけた。
ぬりかべの他にも、妖気アンテナと子泣き爺は、キャラクターと内容が合っているピクトで、見つけたときに皆が思わず拍手した。
藤子マンガのピクトの宝庫、「藤子・F・不二雄ミュージアム」
キャラクターのピクトがあふれているのが、藤子・F・不二雄ミュージアムだ。施設内の案内やサインには、藤子マンガのさまざまなキャラクターが使われている。その遊び心に感動する。
藤子・F・不二雄ミュージアムミュージアムは、館内だけでなく、登戸駅から、専用バスに至るまで、ピクトやサインがいっぱいで、おそらく100種類以上あると思う。もっと撮影しておけばよかった。次回はピクト撮影のために行こう。
意外にもキャラクターピクトが少ない「東京ディズニーランド」
ディズニーリゾートにはキャラクターのピクトがいっぱいあるに違いない、と思って東京ディズニーランドに出かけてみたが、意外と少なかった。
ディズニーランドは各ゾーンごとに緻密に世界観を作り上げているので、人気キャラクターを看板にあしらって台無しにならないようにしているのかもしれない。
寅さんがピクトになった「柴又」
映画「男はつらいよ」の舞台である、葛飾区柴又。駅や街中のピクトには、寅さんがたくさん隠れている。
キャラクターピクトの決定版はこれだッ、「ジョジョ展」
2012年の『ジョジョ展』と、2017~20年に全国を巡回した『荒木飛呂彦原画展』。残念ながら当時は会場内のピクトを気に留めていなかったのだけれど、twitterで当時の会場の様子を改めて調べたら、ジョジョピクトばかりだった。展示会のキャラクターピクトはこうあってほしい。
「ゴールデンカムイ展」も注意書きにキャラクター
連載終了を記念して2022年から全国巡回している『ゴールデンカムイ展』。来場者には曜日ごとに違う色紙が配布されたりサービスたっぷりの展示会だが、会場入口の注意書きも作品内モチーフのピクトだった。
テーマパークや美術館の企画展などなど、きっとキャラクターのピクトはもっとあるはずだ(今まで、たくさん見落としていたと思う)。これから家族で出かけた先で、キャラクターのピクトを探して集めたい。見つけたら、こちらに随時追加しようと思う。
ピクトもハマると奥が深い