こどもの絵で 世界で一着のバンドTシャツを作ろう

「いい歳をした親がロックのTシャツなんか着ちゃだめだ」と言われるが、子どもの描いた可愛い絵をTシャツにして着るのは子煩悩の親としてOKなので、子どもにロック絵を描いてもらってそれをTシャツにして着る、というのが完璧なソリューションだ。

バンドTシャツの歴史

ロックバンドのTシャツは、ヒッピー文化を代表するロックバンド、グレイトフル・デッドから始まった。

1970年代初頭。バンドのドラマー、ビル・クルーツマン(Bill Kreutzmann)の奥さんが、サンフランシスコのライブハウス「Winterland」で、ライブ後のロビーにバンドのTシャツを並べて売ったことが最初だ。

グレイトフルデッドのライブに集まるDeadheadsたち。 Photo:mark l. knowles,CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

グレイトフル・デッドのファンは「デッドヘッズ(Deadheads)」と呼ばれ、バンドのツアーにキャンピングカーなどで帯同し、アメリカ全土を旅しながらついてまわるほど、濃密なコミュニティで知られている。彼らが、グレイトフル・デッドのサイケデリックなTシャツを購入し、これを着てツアーに参加した。お気に入りのバンドのTシャツを着てライブに参加するという、「バンドTシャツ」のモデルは、ここから生まれた。

(このライブハウスを経営していたビル・グレアムとデル・フラノがその後、アメリカ中のライブハウスでいろんなバンドのTシャツを販売するようになり、バンドTシャツのカルチャーは広がった)

「愛」を示すためのアイテム。これが、バンドTシャツの原点だ。

バンドTシャツがダメなら何を着りゃいいの

そして現代。バンドTシャツは、ファッションアイテムとしてすっかり浸透した。ライブ会場以外でも販売されており、日常的に着用するようにもなった。

セレクトショップのバンドTもいいが、こういうマーケットで売られているアヤシイバンドTもグっとくる

ところが、だ。「バンドTを着てもいいのは20歳まで」とか「いい歳をした親は、ロックのTシャツなど着るべきではない」といった主張があるという。なんということだ。若い頃からバンドTシャツを買い集めたのに、親になったとたんに、そんな服を着るなと言われてしまった。じゃあ僕たちは、いったいどんなTシャツを着ればいいというのだろうか。

そのヒントが、子どもの絵でTシャツを作るサービスにあった。

子供の絵をオリジナル刺繍Tシャツに|クレヨンパラダイス
子どもが描いた夢を着よう。クレヨンパラダイスは、"お子さまが描いた絵やイラストを世界でたった1つのアートなオリジナル刺繍Tシャツにする"サービス。Tシャツはじめトートバックやトレーナーも用意。利用方法は簡単。好きな刺繍グッズを選んでイラストをスマホでUP。商品は約2週間で届きます。誕生日やクリスマスプレゼントはもちろん...

子どもが描いたかわいい絵でオリジナルTシャツを作るのが、子育て中の親に人気だそうだ。子どもにとっては、自分の描いた絵が服になり、それをお父さんとお母さんが着てくれるなんて、ワクワクするに違いない。

答えは見つかった。

子どもにバンドの絵を描いてもらって、それをTシャツにして着る。これが、音楽とわが子を愛する父親にとってのファイナルソリューションだ。

子どもに別注する

子どもと、バンドTシャツを作ろう。まずは、絵の選定だ。

ニルヴァーナのスマイリー・フェイスや、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのバナナあたりは、小さな子どもでも描けるだろう。

それとも、どうせ作るなら、これぞバンドTという感じの、ハードロック/ヘヴィメタルのアートワークだろうか。子どもと一緒に、自分のアルバムコレクションを眺めながら、ワイワイと絵を選ぶのも良い。(言わずもがなだが、子どもの描く絵として節度を守ったデザインを選ぼう)。

僕は、娘とアルバムジャケットをあれこれ見て、「このドクロのやついいね」と、バンドTの定番、ガンズ・アンド・ローゼズ(差し替え後の「Appetite for Destruction」)で作ることになった。娘に早速、ガンズのジャケットを色鉛筆で描き始めた。


妻は、グレイトフル・デッドのダンシング・ベアを選んで、娘に注文した。バンドTシャツの歴史に対するリスペクトが感じられる。

下絵を描くデザイナー(娘)

プリントはオーダーか自宅で

子どもの絵ができたら、この絵でTシャツを製作する。絵のデータをもとにオリジナルTシャツを1枚から製作してくれる専門店がたくさんある。

ただし、模写イラストをもとにしたTシャツの製作を、専門店にオーダーするのは、著作権侵害にあたる場合もある。詳しくは、オリジナルTシャツショップの著作権ガイドラインを参照いただきたい。

著作権について丨よくあるご質問(FAQ)丨オリジナルTシャツのプリント・デザイン【TMIX】
著作権についてオリジナルTシャツTMIXの製品やサービス等についてお客様から寄せられる、よくあるご質問をQ&A形式でご紹介しています。

一方、オーダーではなく、自宅でも手軽に作ることができる。市販されている「アイロン転写シート」を使おう。プリンターで印刷した絵をアイロンで布にプリントできる、すぐれものだ。バンドTシャツ用の大きさの絵は、A3サイズの転写シートで十分だ。


子どもの絵をスキャンするか、白い紙の上に置いてカメラで撮影して、PCにデータとして取り込む。このデータを印刷に使う。

ちなみに転写シートを使って黒のTシャツに印刷する場合は、地色を白色のままで印刷すると、印刷後に白色を残さないよう図柄を切り抜くのが大変だ。あらかじめPCで地色を黒色に塗りつぶしておくとよい。(Windowsに初期搭載されているペイントソフトでもできる)

黒く塗れ!


そしてこちらが完成した、ガンズTシャツ。

予想以上の出来栄えだ。これならガンズのライブにも着ていけそうだ。

娘はスラッシュ(一番下のドクロ)がうまく描けたと気に入っており、シャツを着るたびに、「どのドクロがいちばんいいと思う?」と聞いてくる。

こちらが、妻のオーダーした、グレイトフル・デッドのダンシングベアTシャツ。

実用性を重視したな、という印象

バンドTシャツの原点でもあるグレイトフル・デッド。そこに、娘のオリジナルキャラクター「ほこりくん」がこっそりと追加されている。我が家的には夢のコラボTシャツだ。

(ダンシングベアの足元に、ほこりくん)


バンドTシャツが生まれてから半世紀。

バンドへの愛と、子どもへの愛を、同時に示すことができる、最終解決策が誕生したと思う。

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