テレビドラマ版『岸辺露伴は動かない』を見た子どもの間で露伴ごっこがブームになったので、相手を本にする「ヘブンズ・ドアーお面」を作った。
漫画家ごっこで遊ぼう
2020年末に放送された『岸辺露伴は動かない』の実写化ドラマを見て、それまで『ジョジョの奇妙な冒険』を見たことのなかった我が家の子どもたちが、ヘブンズ・ドアーに夢中になった。気づけば、兄妹で露伴ごっこをしている。お前たちも露伴のファンか…そりゃあいい…『波長が合う』ということかもしれない…
子どもたちは、お互いを「ヘブンズ・ドァァーッ!」と本にし合って、それぞれ命令を書き込むフリをして遊んでいる。そのうちに、本当に本にしてみたいという話になった。よし、お面で作ろう。
お面を作ろう
顔がメリメリとめくれて本になる、あの様子を再現したお面を作る。まずは、コピー用紙を顔の大きさに切り、目・鼻・口の位置に合わせて穴をあける。
この紙を7〜8枚作り、片側をホチキスで止めて、本にする(本の表紙を実際の顔写真で作ると、顔がめくれて本になる様子を再現できる)。
ヘブンズ・ドアーで顔が本になるときは、片綴じのほかに、真ん中から左右に開く「観音開き」のパターンが多い。
観音開きのお面は、裏表紙以外の紙を真ん中で切り、両サイドをホチキスで止めて作る。
本ができたら、中面だ。何も書いていない白紙のままでも良いし、適当な文字で埋めても良いが、それだといまいち面白みに欠ける。面白くするには、どうすればよいだろうか…。
そう、『リアリティ』だ。そこで、中面は子どもに自分自身のことを書いてもらうことにした。
いきなり「自分の見た事や体験した事、感動した事を描いてこそ、おもしろくなるんだ!」と子どもに言っても難しいので、あらかじめ全てのページにこちらで質問を書いておき、そこに答えを書き込んでもらった。
中が文字が埋まったら、顔につけるための平ゴムをつけて完成だ。
家族の人生を読む
完成したお面を使って、子どもたちは相手の本に命令を書き込む露伴ごっこを張り切って始めた。
だが、そのうちに、相手の本をじっくりと読むようになった。
息子(当時9歳)と娘(当時6歳)の本には、今まで生きてきたいろんな事が記されている。好きなもの、得意なこと、それまでやってきたこと…。家族同士でもあまり知らないことも書かれていた。
ごっこ遊びのためのお面作りだったが、子どもたちを『本』にしたことで、本当に彼らの『人生』を読むことになった。こんな体験、めったにできるもんじゃあない。
露伴と『波長』が合うと漫画の原稿を見るだけで本になってしまうそうなので、ご注意ください