刺激の強い遊びに慣れてしまった、現代の子供たちにもウケる、インパクトのある福笑いを作って、お正月を盛り上げよう。
福笑いは知育玩具
「休み中に、ご家族でお正月遊びをしてください」。
息子(当時5歳)が幼稚園に通っていたころ、そんな冬休みの宿題が出た。
寒い外に出かけずにできるお正月遊びといえば、福笑いだ。福笑いはああ見えて、「空間認識能力を鍛える知育玩具」ともいわれているそうだ。うちの子供たちにも是非、その能力を鍛えてもらいたい。
家に福笑いがなくても、わざわざおもちゃ屋で購入するほどではない。ネットを探せば、「ちびまる子ちゃんの山田」をはじめとした、いろいろな人気キャラクターの福笑いが公式サイトを通じてデータで配布されている。
ただ、せっかくの正月休みなので、子供と一緒にオリジナルの福笑いを作ってみたい。好きな顔の画像を選んで、目と鼻と口を切り抜いて、プリントアウトするだけなので簡単だ。
福笑いに適した顔を探す
オリジナル福笑いを手作りするうえで、一番大事なポイントは、いかに「福笑い向きの顔」を見つけるか。子供自身の顔写真でも、マンガのキャラクターでも、イラストでも、何でも良いのだが、目・鼻・口のそれぞれのパーツがはっきりした顔ほど、顔が崩れたときの面白さが増す。
目鼻立ちが強烈な顔―。
真っ先に思い浮かんだのがアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』のジャケットだ。
キング・クリムゾンのデビューアルバムにして、プログレッシヴ・ロックの金字塔。
ビートルズの『アビイ・ロード』をチャート1位から引きずりおろしたアルバム、という定説はどうもデマらしいが、そんなニセの都市伝説に説得力があるのは、衝撃的なサウンドやシビレる歌詞に加えて、何より、この強烈なインパクトのジャケットのせいだろう。
この名ジャケットで、福笑いを作ろう。
福笑いの作り方
福笑いの元になるジャケット画像をPCに取り込み、ペイントアプリで台紙を作る。この作業は、Windowsに初めから入っているアプリ「ペイント」でもできる。
これをA3用紙にプリントアウトして、厚紙にのりで貼り付けて、目・鼻・口をハサミで切り抜いたら、完成だ。(この工程は子供にやってもらった)
まるで、LP盤の紙ジャケがそのまま福笑いになったような仕上がりに、親は大興奮である。子供はどうか。さっそく、福笑いタイムのスタートだ。
キングクリムゾン顔に、娘(当時2歳)は怖がるかな、と心配したが、まったくの杞憂であった。むしろこのインパクトがウケた。わが家のムーンチャイルドたちは、目隠しをして顔のパーツを並べ、出来上がったいびつな顔を見ては指差して笑い、奪い合って遊んでいた。
盛り上がってきたので、「自分で作った福笑いの顔と、自分で同じ顔すること」という新たなルールを加えたところ、「福笑い」は変顔ゲームへと進化し、親子でヒーヒー笑い転げて遊んだ。
笑う門には福来る。他にも福笑いにぴったりのアルバムのジャケットがあるので、また作ってみたい。
英国ロックの名盤に福笑い向きのジャケットが多いのは、なぜだろう。
一家に一枚『クリムゾンキングの宮殿』。魔除けにもなります