パーマンは時速119km。デロリアンがタイムスリップするのは時速88マイル。ではソドー島最速のきかんしゃゴードンの速さは?世の中の「速さ」が気になる子どもと、片っ端からスピードを調べた。
スピードに取り憑かれた息子
子どもに人気の電車といえば、新幹線「はやぶさ」だ。人気の秘密は、グリーンの車体デザインと、そのスピードだ。時速320kmという国内最速の走行速度が、子どもたちの心をつかんでいる。
息子も幼稚園のころ、はやぶさが好きだった。好きすぎて、あらゆる電車の速度を図鑑で調べて、はやぶさがいかにスピードで優れているかを、何度も確認していた。
息子は、他にもいろいろな乗り物や動物の速さが気になるようになった。鳥のハヤブサは時速何キロなのか。『きかんしゃトーマス』のゴードンはどれくらい速いのか…。まるで、スピードに取り憑かれたように「時速…時速…」とつぶやいている。そんなに知りたいならと、気になるスピードを全て調べて、表にまとめることにした。
スピード 一覧表の作り方
①台紙を作る
模造紙を縦に切ってつなげて細長い紙を作り、時速10㎞刻みでメモリを書き込む。無地の模造紙ではなく、方眼入りの模造紙を使えばラクだ
②スピードを記録する速度マークを作る。
③スピードを調べたいものの絵をプリントアウトする。
④スピードを調べて表の上に配置する
図鑑やインターネットを使ってそれぞれのスピードを調べて、速度マークに書き込み、グラフの該当する場所にのりで貼っていく
スピードを比べてみる
完成したのがこちらのスピード一覧表だ。
右端が、最速コーナー。息子の憧れでもある「はやぶさ」が時速320㎞で最も速い。
少し左の時速100㎞台は、親と子のそれぞれの偏愛が詰め込まれている激戦地帯だ。
バットモービル(タンブラー)に、つくばエクスプレス、デロリアン、京成スカイライナー…。その中でもスピードが抜けていたのが、『きかんしゃトーマス』のうぬぼれ機関車、ゴードンだった。ゴードンは時速174㎞。在来線最速の京成スカイライナー(時速160㎞)よりも、バットモービル(時速169㎞)よりも速いことが明らかになった。うぬぼれるわけだ。
時速100㎞より下のコーナー。タケコプターは意外と速く、時速80km。
ところで僕ら自身はどのくらいの速さだろうか。速さを調べられるアプリをダウンロードして、スマホを手にして家の前を全速力で走ってみた。
これもグラフに貼った。
「おとうさんは、こぶたよりもおそい!!」と笑い転げる息子であった。お前の方が遅いじゃん。
息子はスピードの概念を何となく知り、メモリ上に並べて表すというフォーマットも学ぶことができた。他にも、ロボットや建物の大きさを比べる「高さ調べ」とか、いろいろな形に応用できそうだなと、作りながら思った。
スピード、大きさ、長さ、高さ…。子どもが何かの尺度にとり憑かれたら、徹底的に調べて表にまとめるのが憑きものを落とす手段だ。