ぞうきんがけは、競争にすると盛り上がる。「レースの開幕だ!」と声をかければ、子どもたちは(まんまと)ぞうきんを手にとり、床がピカピカになるまで駆け回る。
ぞうきんにレースカーの模様を縫い付ければ、ますます盛り上がるはずだ。お気に入りのレースカーをモチーフにしたぞうきんを家族でそろえて、『レディ・プレイヤー1』のレースの気分でぞうきんがけを楽しみたい。
ぞうきんとハギレを用意して、「モンスターカー ぞうきん」を作ることにした。モデルに選んだのは、カルト映画『デス・レース2000年』に登場する、主人公の愛車「モンスター号」だ。
スピルバーグの『レディ・プレイヤー1』とは違って、ロジャー・コーマンの『デス・レース2000年』は、暴力と流血と裸にあふれた非道徳なレース映画だ。この映画には、「モンスター号」や「ライオン号」、「雄牛号」「ピースメーカー」など、チープで魅力的なデザインのイカすレースカーが登場する。
緑色の布に、ハギレで目とたてがみと牙を縫いつけて「モンスター号ぞうきん」の完成だ。
『デス・レース2000年』を子供に見せるわけにはいかないので、ぞうきんカーの元ネタは子供に知らせずに、一人で盛り上がってぞうきんを縫っていた。その様子を見ていた娘が、「わたしも作りたい」と言い出した。
娘(当時5歳)の、生まれてはじめてのおさいほうは、デスレース用モンスターぞうきんになった。厚手のぞうきんに厚いフェルトを縫い付けるのは大変そうだったが、苦労の末に、かわいいモンスターカーぞうきんが完成した。
変な位置に顔を付けている。理由を聞いたら「ぞうきんがけの途中で、たたみ方を変えると、モンスターの顔が変わるの」という。
なんということだ。
娘は、B級映画のスピリットを完全に理解している。レースの状況によって、車がいきなり変形する。これぞ、デスレースの醍醐味だ。
さあ、ぞうきんがけデスレースの開幕だ。デヴィッド・キャラダイン気分で、娘と床を爆走する。
ぞうきんがけデスレースにエントリーさせたい名車は、他にもいくつもある。
「マッハGoGoGo」のマッハ号や、
「ナイトライダー」のK.I.T.Tや、
「AKIRA」の金田のバイク
家のぞうきんを、夢のレースカーでそろえよう。ただし、あまり完成度を高めすぎると、汚すのがもったいなくてぞうきんとして使えなくなるので、適当なクオリティで止めておくのがよさそうだ。
万が一『デス・レース2000年』を見たいという人がいたときのためにDVDのアフィリエイト広告を貼っておきます。
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