小学校3年生になると、社会科の授業で方位を習う。娘は、東西南北がなかなか覚えられない。
西と東は、どちらが右で、どちらが左か。これが分からないままだと、いろいろ苦労する。私のように、「東は『ヒ』ガシだから『ヒ』ダリ、と見せかけて実は右」というねじれた覚え方をしてしまうと、とっさに方位が分からなくなる。そもそも「右か、左か」などと、方位を上下左右で表現してしまう時点であまりよろしくないのである(「メルカトル症候群」というやつだ)。ちゃんと身体感覚として東西南北を覚えた方が良い。
そこで、日々の生活の中に方位をとりいれて自然と覚えるため、東西南北のモビールを作って、家の中の各方位に吊るすことにした。
①東西南北の漢字をプリントアウトする。これを切り取って、厚紙の両面に貼る。
記憶を定着させるには色や音をセットにすると良いので、東西南北の文字には、それぞれ色を付けた。古代中国に端を発する五行思想では、各方位に色が割り振られている。中心が黄色で、北は黒、東は青、南は赤、西は白だ。東西南北モビールもこの色で塗り分けることで、方位を覚えるついでに、五行思想まで習得できるようにした。
②漢字が1つ吊るしてあるだけだと、物足りない。何かキャラクターが欲しい。そこで、天の四方の方角をつかさどる聖獣、「四神」も一緒に吊るすことにした。
北の玄武、東の青竜、南の朱雀、西の白虎。『幽☆遊☆白書』や『ベイブレード』や『魔界塔士Sa・Ga』などでお馴染みの4匹だ。東西南北は生きるうえで大事な知識だが、四神は少年マンガやゲームの世界における必修知識なので、これも今のうちに一緒に覚えてもらおう。
③さらに、アルファベットの「N・E・S・W」をそれぞれモビールに吊るせば、英語の東西南北も覚えられる。あるいは、方位の五元素「水・木・火・金」も加えると、五行思想も完璧に覚えられる。だが、子どもの情報がパンクする可能性があるので、やめた。
④糸を通して竹ひごに結びつければモビールが完成だ。紙を切り抜いて貼り付けたり、糸を結んだりという作業はこどもと一緒にやった方がよさそうだ。自分で作った方が、たぶん覚える。
⑤家にの各方位に吊るす
朱雀と南のモビールは、リビングの窓に吊るした。
家の北にある玄関には、「北+玄武」モビール。
リビングの壁には、「西+白虎」モビール。
そして、家の東にあたる和室には、「東+青龍」のモビールを吊るした。
和室の天井で、青竜がゆらゆらと揺れている。この様子が、自然と娘の記憶に残るはずだ。これによって、南を背にしたときの右手が東、東の色は五行思想では青、東を司るのは青龍、と、セットで覚えることができる。
東西南北の習得に苦労しているお子さん、四神の守護する方位がどうしても覚えられないお父さんは、ぜひ試してみてほしい。