小さな魚たちが集まって大きな魚の姿になる、絵本『スイミー』の名シーンを、マスキングテープで再現。スイミーたちで遊んでみよう。
スイミーたちはもっとできる
レオ・レオニの絵本『スイミー』。小学校の国語の教科書にも昔から掲載されているので、子供だけでなく大人にもお馴染みのお話しだ。
物語のクライマックス、大きなマグロを恐れて、岩陰にこもっている小さな魚たちに、スイミーが呼びかける。
スイミーは さけんだ。
「そうだ!みんな いっしょに およぐんだ。うみでいちばんおおきな さかなのふりして!」
赤い魚は群れになって泳ぐことで、大型魚に擬態し、スイミー自身もその黒い体を生かして「目」になる。こうして魚たちは見事、マグロを追い払う。
お話しはこれでおしまい。だが、もしもこの後で、さらに狂暴な捕食者が現れたら、魚たちは何のふりをすればよいのだろうか…。
より強いスイミーたちの可能性を探るあそびをしてみよう。
材料は、100均で買った赤のマスキングテープと、黒の色画用紙1枚。これで壁にスイミーの世界を再現し、魚の群れをいろいろな形に貼り換える。
スイミーたちの作り方
①まずは赤い魚づくり。赤いマステを3~4㎝くらいに切る。遊ぶときに はがしやすいよう、尾びれになる端を折りたたむ。
②端を折りたたんだマステを切って、魚の形にする。これで一匹完成。これを百匹くらい作る。
③どんどん作る。十匹くらいまでは、だんだん上手に作れるようになって、楽しい。
④30匹目あたりで、「これあと70匹も作るのか…」と心が折れ始める。マステもハサミにくっつくし、なんとなくイヤになってくる。だが、子どもが楽しみに待っている。あきらめず、最後まで頑張ろう。
⑤赤い魚が百匹できたら、次は黒い画用紙でスイミーを切って作る。
⑥黒い画用紙でマグロを作ったら完成!(背景用に、海藻や、海底の石を作っても良い)
スイミーたちで遊ぼう
壁に貼って、遊ぼう。
さあ、魚たちは群れになって、何の姿で泳ぐかな。まずは「かいじゅうのふり」。
スイミーは さけんだ。「そうだ!みんな いっしょに およぐんだ。海で1億4000万年前から生き延びていたが 水爆実験によって眠りから覚めた 巨大怪獣ゴジラのふりして!」
続いて「ネッシーのふり」
スイミーは さけんだ。「そうだ!みんな いっしょに およぐんだ。ネス湖での存在が否定されかかっているネッシーのふりして!」
ちょうど学校でスイミーを学んでいた息子(当時9歳)は「モササウルスのふり」を作った。
スイミーは さけんだ。「そうだ!みんな いっしょに およぐんだ。後期白亜紀の海で食物連鎖の頂点にいた 海生爬虫類モササウルスのふりして!」
スイミーたちが望めば、何にでもなれる。史上最強生物の呼び声も高いメガロドンにだって、デボン紀後期の海の頂点捕食者ダンクルオステウスにだって、変身できる。スイミーたちにも、子供たちにも、無限の可能性が広がっているのである。